FLUKE

放射温度計に関するよくあるお問い合わせ

できません。
フルークの工業用放射温度計は測定対象物の表面温度を測定します。人体の場合には体表面(皮膚)温度を測定することになるため、体温(深部体温)とは異なります。非接触体温計は、管理医療機器として認証を受けているものをお使いください。

関連ページ:工業用放射温度計

放射温度計で温度を測定している場所を知る目印として出力されるレーザー・ポインターです。1点レーザーの機種はその点を中心とした円、2点レーザーの機種は2点を直径とした円が測定スポットになります。温度測定の結果には影響しませんので気になる場合はレーザーが出力しないように設定を変更することもできますが、測定している場所が分かりにくくなります。

小さいスポットの温度を測定するには下図のように焦点を結ぶ光学系が必要ですが、フルークの放射温度計は異なる光学系を採用しているため数mmの測定スポットで温度を測定することはできません。

モデルと測定距離にもよりますが、代表的には測定対象物の大きさが50mm以上あれば問題なく測定できます。より小さいスポットの温度を測定するには、サーモグラフィの使用もご検討ください。

関連ページ:サーモグラフィ

放射温度計は円形の測定スポットの平均温度を画面に表示しています。この測定スポット径は、測定距離が長くなるほど大きくなります。フルークの放射温度計では、この測定距離とスポット径の関係をD:S比として規定していますが、最適距離での代表値のため距離の変化に対して一定の比率にはなりません。例えばモデル62MAX+のD:S比は12:1なので測定距離600mmでのスポット径は50mmですが(600mm:50mm=12:1)、図のように近距離と長距離ではD:S比が12倍の関係になっていません。

測定対象物の大きさが測定スポット径より小さいと、正しく温度測定することができません。

関連ページ:62MAX+

放射率は測定対象物の材質や表面状態に依存します。研磨されて光沢のある金属表面などは放射率が低く、放射温度計ではうまく測定できないことも多々あります。1%の放射率エラーでも、500℃の測定では3℃以上の測定エラーになる場合がありますので、その用途に応じて調整することをお勧めします。フルークの放射温度計は一部のモデルを除いて、放射率を0.10から1.00の範囲で、0.01刻みで調整することができます。測定対象物の放射率が分からない場合は、以下の方法をご検討ください。

  • 厳密な調整が不要な場合は、測定器メーカーやインターネットから得られる、物質ごとの代表値を使う。
  • 物理系の文献で調べる、または測定対象物の材料メーカーなどから情報を提供してもらう。
  • 接触式センサーの温度計と放射温度計で同時に測定し、接触式温度計と放射温度計の測定値が同じになるように放射温度計の放射率を調整する。
  • 測定対象物に手を加えられる場合は、放射率が分かっている黒体スプレーを塗ったり黒体テープを貼ったりして測定する(耐熱温度に注意)。

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